2007-01-01から1年間の記事一覧

野外美術館

写真追加しました。 http://www.fromkiyama.com/yagai.htm

薫の葉書 おわりの巻

倭(やまと)は国のまほろば たたなづく 青垣(あおがき) 山隠(やまごも)れる 倭(やまと)しうるはし日本神話の英雄「日本武尊(やまとたけるのみこと)」が九州から東北までの遠征を終え、故郷を目前に亡くなる時の叫び。「古事記」景行天皇の章に記載…

「祈りのことば」その十五 巡礼の四句の覚り(このシリーズ最終回)

四国八十八カ所のお遍路さんや全国観音めぐりの巡礼がかぶる「菅笠(スゲガサ)」に書いてあります。迷故三界城 迷うが故に三界は城 悟故十方空 悟るが故に十方は空 本来東西無 本来東西は無く 何処有南北 いずくんぞ南北有らん 【意訳】 自分の心がもたらす…

「祈りのことば」その十四 食前・食後の祈り

食前・食後の感謝の祈りです。[食前の言葉] み仏と皆様のおかげでこのご馳走に恵まれました。 深くご恩を喜び、ありがたくいただきます。[食後の言葉] 尊いお恵みによりおいしくいただきました。 おかげさまでご馳走さまでした。【薫】食事の前後に両手…

「祈りのことば」その十三 いろはにほへと

いろは歌に込められた仏教の真理です。いろはにほへと ちりぬるを 色は匂へど 散りぬるを わかよたれそ つねならむ 我が世誰ぞ 常ならむ うゐのおくやま けふこえて 有為の奥山 今日越えて あさきゆめみし ゑひもせす 浅き夢みし 酔ひもせず(ん)【意訳】 …

「祈りのことば」その十二 法悦歓喜(ほうえつかんぎ)のご和讃

弘法大師のご恩に感謝する法悦歓喜(ほうえつかんぎ)のご和讃です。み親を知れるその日より なぜか心がときめきて 仮の住みかの憂き世にも 悦びわくを覚えたり 我は一人の旅なれど み親は常にましまして 闇路(やみじ)はるかに照らしつつ ゆくてをとわに守…

「祈りのことば」その十一 忍辱行(にんにくぎょう)の誓い

法華経第二十章 常不軽(じょうふぎょう)菩薩の誓いです。我深敬汝等 がー じん きょー にょー とー 不敢軽慢 ふー かん きょー まん 所以者何 しょー いー しゃー がー 汝等皆行菩薩道 にょー とー かい ぎょー ぼーさつ どー 当得作仏 とー とく さー ぶ…

「祈りのことば」その十 白骨の御文(はっこつのおふみ)

浄土真宗 第七祖の蓮如(れんにょ)上人が門徒へ宛てたお手紙の一節。それ、人間の浮生(ふしょう)なる相をつらつら観ずるに、おおよそはかなきものは。この世の始中終(しちゅうじゅう)、まぼろしのごとくなる一期(いちご)なり。されば、いまだ万歳(ま…

「祈りのことば」その九 お地蔵さまのご利益(りやく)

お地蔵さまには、いつでも誰でも会えるのですが、正式にそのご利益は?となると意外に語られません。この機会に少し触れてみます。仏説延命地蔵菩薩経の原文を意訳して紹介します。【基本的ご利益】 お釈迦さまがいなくなった後、この世には延命地蔵菩薩が現…

「祈りのことば」その八 お地蔵さまの「代受苦(だいじゅく)」の誓い

あらゆる世界で苦しんでいる人びとを救おうという、延命地蔵菩薩経の誓願の言葉です。 延命菩薩 えんめいぼさつ 延命地蔵菩薩は 而白仏言 にびゃくぶつごん 而も仏さまに白(もう)して申さく 世尊不慮 せそんふりょ 世尊よ、慮(おもんばか)りたまわざれ …

「祈りのことば」その七 衆怨悉退散(しゅーおんしったいさん)

諸々の恨みが悉く退散し、個人も国家も争いの終わるように祈ります。怖畏軍陣中 ふー いー ぐんじん ちゅう 念彼観音力 ねんぴー かんのん りき 衆怨悉退散 しゅーおん しったいさん【意訳】 戦場の軍隊の陣中にあって、恐れおののいている時にも 観音菩薩さ…

「祈りのことば」その六 第十八願 念仏の功徳

誰でも極楽浄土へ生まれることを願う、阿弥陀仏の四十八の誓願のうちの第十八願です。設我得仏 せつがー とくぶー 十方衆生 じっぽう しゅじょう 至心信楽 ししん しんぎょー 欲生我国 よくしょー がーこく 乃至十念 ないし じゅーねん 若不生者 にゃく ふー…

「祈りのことば」その五 回向文(えこうもん)

仏教を信じる功徳が一切の生けるものに及び、みんなの仏道成就を願う『回向文(えこうもん)』です。願以此功徳 がん にー しー くーどーく 普及於一切 ふーぎゅうー おー いっさい 我等与衆生 がー とー よー しゅじょー 皆共成仏道 かい ぐー じょーぶつ …

「祈りのことば」その四 四弘誓願(しぐせいがん)

覚りを得て仏になろうとする決意を表す『四弘誓願(しぐせいがん)』です。衆生無辺誓願度 しゅじょー むへん せいがん ど 煩悩無尽誓願断 ぼんのう むじん せいがん だん 法門無量誓願学 ほうもん むりょー せいがん がく 仏道無上誓願成 ぶつどう むじょー…

「祈りのことば」その三 懺悔文(さんげもん)

罪深く、煩悩に満ちあふれている私を反省する『懺悔文(さんげもん)』です。我昔所造諸悪業 がー しゃく しょー ぞー しょー あくごー 皆由無始貪瞋痴 かい ゆー むー しー とん じん ちー 従身口意之所生 じゅー しん くー い しー しょー しょー 一切我今…

「祈りのことば」その二 開経偈(かいきょうげ)

日々のお勤め(読経)を始めるときの『開経偈(かいきょうげ)』です。無上甚深微妙法 むじょー じんじん みみょー ほー 百千万劫難遭遇 ひゃくせんまんごー なん そうぐー 我今見聞得受持 がー こん けん もん とく じゅーじ 願解如来真実義 がん げー にょ…

「祈りのことば」その一 慈悲の瞑想

日本テーラワーダ仏教協会の『慈悲の瞑想』です。私は幸せでありますように 私の悩み苦しみがなくなりますように 私の願い事が叶えられますように 私に悟りの光が現れますように私の親しい人々が幸せでありますように 私の親しい人々の悩み苦しみがなくなり…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その十三 愛や慈悲は行動する(このシリーズ最終回)

【有馬】[愛や慈悲は行動するときにしか現れない]ボランティアとは、人が直面している苦悩を、自分自身の問題として受け止め支援の手を指しのべるとともに、その問題解決のために行動する行為です。仏教思想の基本は「縁起」です。すべての存在はそれ独自…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その十二 人に支えられ、支えて

【有馬】[人に支えられ、人を支えて生きる]仏教には「他己(たこ)」という言葉があります。他なる自己、つまり他者のことです。鎌倉時代や室町時代には普通に使われていた言葉でした。人間の社会には大勢の人がいて、みんな考え方が違うのです。意見が違…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その十一 共に凡夫

【有馬】[共に凡夫なるのみ]聖徳太子の十七条憲法の第十条に「我れが絶対正義であるとすれば、彼の正義は誤りである。逆に彼が正しいとすれば、我れの主張が誤りだということになる。我れも彼も、決して聖人ではない。共に凡夫なるのみではないか」との意…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その十 シャンティは平和、寂静

【有馬】[シャンティは平和、寂静]〈シャンティ〉はインドの古語で〈平和〉を意味しています。南アジアや東南アジアでは、古代からインド文化、特に仏教の伝播と共に国際語として広く使用されました。 カンボジアでは平和を〈サンタピアップ〉といいます。…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その九 病んでいる日本

【有馬】[一番病んでいるのは日本] 世界中に貧しい国や困った国がありますが、一番病んでいるのは、実は日本という国ではないかと考えています。お金を持てば持つほど、生活から充足感がなくなる社会は、いびつな社会です。物質的な豊かさを誇りながら一人…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その八 個人の問題の社会化

【有馬】「個人の問題の社会化」ボランテイアは仏教の必然であり、仏教徒の証でもあります。仏教に根ざしたボランティア活動は一般にいわれる「無償の行為」「余暇を活用した社会活動」「人や社会に貢献する奉仕活動」に止まりません。金子郁容氏の明快な定…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その七 慈愛に包まれた共同体

【有馬】[慈愛に包まれた共同体]叡尊(えいそん)の考え方の根底には仏教の「縁起」の思想があります。すべての存在は「縁」つまり他者との関わりの中で生起するものであり、それ自体が絶対的な存在として独立して存在することはありえない、という考え方…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その六 文殊が地上に現れる

【有馬】[文殊が生きた姿でこの地上に現れる](有馬さんは、鎌倉時代の僧侶で貧民やハンセン氏病患者救済の事業を進めた《叡尊=えいそん》を尊敬していました)あるとき叡尊(えいそん)は門弟や信者たちにこんな説法を行いました。文殊(もんじゅ)の経…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その五 蓮の華を育てる沼

【有馬】[美しい蓮の華を育てる沼地の泥になりたい]曹洞宗の招きで来日したタイのプラティープさんの講演で大変な衝撃を受けました。プラティープさんはタイのバンコクのスラム、貧民街での活動や、スラムの子どもたちの教育の問題を述べた後、こう語った…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その四 難民こそが主人公

【有馬】[難民こそが主人公]自立への援助といいますが、自立のための援助も実は大変むずかしいのです。安全地帯にいる人たちに、難民の本当の痛みが分かるのでしょうか。痛みの分からない人間に、自立への援助など本当に可能なのでしょうか。不遜とおごり…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その三 震災弱者という言葉

【有馬】[震災弱者という言葉]阪神淡路大震災は、都市問題が日本でも深刻だということを如実に教えてくれました。 震災は大勢の人を一挙に奈落の底へ突き落とすような被害をもたらしました。そのなかで震災弱者という言葉が生まれました。自立復興に立ち上…

「仏教徒とボランティア有馬実成さんの教え」その二 道=みち=未知

【有馬】[道=みち=未知]ボランティアの道は、舗装道路じゃなくて〈じゃり道〉だと思うのです。人間が初めて道をつけていったときには、山の中で茨をかき分け、傷だらけになりながら切り拓いてきたのです。道=みち=未知。人間の文化や文明の歴史は、〈…

「仏教徒とボランティア 有馬実成さんの教え」その一 時代の苦悩を自分の課題

【有馬】 [時代の苦悩を自分の課題として]お寺をどうするとか、仏教をどうするとかいうことはどっちだっていいのです。永遠に続くものはこの世の中には一つもないというのがお釈迦さんの教えなのです。とすると、仏教も世の中に役立たない、存在意義を失っ…