2003-10-01から1ヶ月間の記事一覧

良寛さんの心その八 執着から離れた人(上)

[詩] 生涯 身を立つるにものうく 謄々(とうとう) 天真にまかす 嚢中(のうちゅう) 三升の米 炉辺(ろへん) 一束の薪(しん) 誰か問わん 迷悟(めいご)の跡 何ぞ知らん 名利(みょうり)の塵 夜雨(やう) 草庵の裡(うち) 雙脚(そうきゃく) 等間…

良寛さんの心その七 孤独を愛する人

[和歌]世の中に まじらぬとには あらねども 一人遊びぞ 我はまされる山住の あはれを誰に 語らまし まれにも人の 来ても問はねばわが宿は 越(こし)のしら山 冬ごもり 往き来の人の あとかたもなし今よりは ふる里人の 音もあらじ 嶺(みね)にも峰(を)…

良寛さんの心その六 良識の人

良寛さんが書かれた「自戒のことばが」残されています。そのうちの一つで「こころよからぬものは」ということばをご紹介します。ことばの多き 口のはやき さしで口 手柄話 へらず口 唐ことば(中国語)を好みてつかふ おのが意地をはりとほす もの知り顔のは…

良寛さんの心その五 仏さまのような人(下)

[逸話] あるとき泥棒が入ったが盗むものがない。良寛が寝ている布団を持っていこうとしたので、眠ったふりをして自分から寝返りをうち、取やすいようにして、わざと盗ませた。(または手ぶらで帰ろうとする盗人を呼び止め、綿入れを脱いで渡した)ぬす人に…

良寛さんの心その四 仏さまのような人(上)

[和歌] くさむらの 蛍とならば 宵々(よいよい)に 黄金(こがね)の水を 妹(いも)たまうてよ[意訳] (黒い衣を着ている私を)草むらにいる蛍と名づけたのはあなたなんですから、宵の口にはお酒を恵んでください。この歌は、良寛さんが親しく出入りし…